
皮膚のかゆみが出る疾患は多数ありますが、その中の一つに蕁麻疹があります。
蕁麻疹は、蚊に刺されたようなぷくっとした膨疹が、体中に現れたり消えたりを繰り返します。出没が1ヵ月以内に治まるケースを急性蕁麻疹、1ヵ月以上断続的に継続するものを慢性蕁麻疹と呼び、慢性蕁麻疹は長引くことが多いとされます。アナフィラキシーと呼ばれる重症の場合は、気管支や腸の粘膜にまで症状が広がり、呼吸困難や下痢、腹痛を伴うこともあるため注意が必要です。
また、数日唇や瞼が腫れる「血管浮腫」といわれるタイプのものもあります。
蕁麻疹の原因
- アレルギー性:食べ物や薬剤、虫刺されなどのアレルギー
- 非アレルギー性:食品添加物や薬剤に対しIgEが関与せず起こす蕁麻疹
- 物理性:寒暖差や摩擦、圧迫などの物理的刺激、日光など
- コリン性:発汗が原因で小さな皮疹がたくさん出ることが特徴
などがありますが、全体の70%ほどが原因が特定できない「特発性蕁麻疹」と呼ばれるものに分類されます。ストレスがかかった時などにも蕁麻疹が出現することがあります。
蕁麻疹の治療
蕁麻疹の治療は、まず原因となるものを特定し、それを避けることが大切です。しかし、原因が特定できないことも多いため、症状を抑えるための抗ヒスタミン薬内服などの薬物療法が中心となります。
当クリニックでは、患者さんの症状に合わせて、様々な種類の抗ヒスタミン薬を処方しています。
眠気が少なく、日常生活に支障が出にくい薬や、効果が比較的強いとされるものなど、個人の症状やライフスタイルに合わせてご提案するよう心がけています。
抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない場合に限り、H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)や抗ロイコトリエン薬、グリチルリチン製剤などの補助的治療薬が用いられることもあります。
治療を受ける上での注意点
- 薬は必ず指示通りに飲みましょう。
- 副作用が出た場合は、すぐに医師または薬剤師に相談しましょう。
- 症状が改善しても、自己判断で治療を中断しないでください。